イラストレーターとして仕事を獲得するうえで、ポートフォリオは欠かせない武器です。
SNSで作品を発信するだけでは流れてしまい、必要な情報が依頼者に届きにくいこともあります。
だからこそ「見やすく、わかりやすく、自分の強みを伝えるポートフォリオ」を用意することが、案件獲得への第一歩になります。
本記事では、イラストポートフォリオの作り方を基礎から徹底解説します。
準備段階のポイント、デザインの工夫、活用できるツール、そして案件獲得につなげる実践的な運用方法まで、初心者から経験者まで役立つ「完全マニュアル」としてまとめました。
イラストポートフォリオを作る前の準備
ターゲット(依頼者・企業)を明確にする
まず大切なのは「誰に見てもらうか」を考えることです。ゲーム会社、出版社、広告代理店、同人イベント主催者など、依頼主によって必要とされる絵柄や情報は異なります。
ターゲットを明確にすることで、ポートフォリオに掲載すべき作品の選び方も変わります。
得意分野や強みを整理する
「人物イラストに強い」「背景が得意」「デフォルメが得意」など、自分の強みを整理しておきましょう。
これを意識して作品を選ぶことで、自分の方向性が明確になり、案件とのマッチングがスムーズになります。
掲載作品の選び方のポイント
最新の作品を優先する
クオリティの高いものだけを厳選する
同じテイストのものをまとめることで統一感を出す
枚数は10〜20点程度が目安です。
多すぎると見る側が疲れてしまうため、厳選することが重要です。
魅力的なポートフォリオを作る5つのステップ
① 作品をジャンルごとに整理する
キャラクター、背景、アイテムデザインなど、ジャンル別に作品を並べると依頼者が見やすくなります。
② 制作意図や背景を簡潔に添える
ただ作品を並べるだけでなく「ゲーム用立ち絵として制作」「SNSアイコン依頼作品」など、利用シーンを簡単に記載すると依頼者の理解が深まります。
③ 見やすいレイアウトを意識する
余白を意識し、1ページに詰め込みすぎないことがポイントです。
作品を「魅せる」デザインにすることで、全体の印象が大きく変わります。
④ PDF/Webサイト/SNSリンクを使い分ける
応募用にはPDF
継続的に見せるならWebサイトやポートフォリオサービス
SNSリンクは「最新作はこちら」と補足的に活用
と使い分けると便利です。
⑤ 最新作に更新し続ける習慣を持つ
1年放置されたポートフォリオは「活動していない人」と見なされてしまいます。
定期的に新作を追加し、更新日時を記載すると信頼度が高まります。
案件獲得につながるデザインの工夫
第一印象を高める表紙デザイン
最初の1ページ目は「自己紹介+代表作」を掲載し、強い印象を残しましょう。
自己紹介・プロフィールの最適化
名前(ペンネーム可)
得意ジャンル
使用ソフト(Photoshop、Clip Studioなど)
連絡先・SNSリンク
これらを簡潔にまとめることで、依頼者がスムーズにコンタクトできます。
依頼者目線での情報配置
自分をアピールすることも大切ですが、依頼者が「依頼後のイメージ」を描けるような構成にすることが重要です。
おすすめのポートフォリオ作成ツール・サービス
無料で使えるツール
Canva:デザインテンプレートが豊富
Notion:リンク集や解説をまとめやすい
本格的に使えるポートフォリオサイト
Behance:世界中のクリエイターが活用
Adobe Portfolio:Adobeユーザー向けの公式サービス
自作サイトでブランディングする方法
WordPressやSTUDIOを使えば、自分専用のポートフォリオサイトを構築できます。
案件獲得につなげる運用方法
応募時の提出方法
企業への応募では「ポートフォリオPDF+URL」をセットで提出すると効果的です。
SNSと連携した発信戦略
ポートフォリオを見てもらった後にSNSで最新情報を発信していると、活動の継続性が伝わります。
定期的なリニューアルで信頼感を高める
「最新作を随時追加」する姿勢が、プロとしての信頼に直結します。
まとめ|ポートフォリオは「営業資料」であり「作品集」
イラストポートフォリオは、単なる作品の寄せ集めではなく、自分を売り込む営業資料です。
見やすさ・ターゲットに合った作品選び・継続的な更新を意識すれば、案件獲得の可能性は大きく高まります。
自分の強みを明確にし、依頼者が「お願いしたい」と思えるデザインを目指して、ぜひポートフォリオを作成してみてください。